自動車生産の国外移転、ルノーがチャンピオン

投稿日: カテゴリー: 欧州自動車・モビリティ情報

フランスの新車市場で2021年1月-10月に売れ行きが良かった車種は、1位が「プジョー208」、2位が「ルノー・クリオ」、3位が「ダチア・サンデロ」で、どれも小型車だが、これら3車種を合わせると市場シェアは17%に上る。ところが、シャランジュ誌によると、そのどれもフランス国内では生産されておらず、生産の国外移転の代表格だという。
なおルノー車では、ほかに「キャプチャー」が6位、「トゥインゴ」が9位につけている。これらも含めて2021年1月-10月の新車販売に占める小型車の割合は57%に達した。シャランジュ誌によると、小型車が新車販売台数に占めるシェアの大きさがフランス市場の顕著な特徴で、1990年代初めの40%が、2017年には52%、2018年に54%、2019年に56%に達した。これは欧州の平均を20ポイントも上回っている。ドイツでは小型車のシェアは30%強、英国でも40%弱に留まっている。
シャランジュ誌によると、問題は、北仏で生産される「トヨタ・ヤリス」(8位)を除くと、これらの小型車の大多数が「メイド・イン・フランス」ではないことだ。フランスで最も販売台数が多い40車種中で国内で生産されているのは7車種だけであり(上位10車種中では12車種)、ルノーまたはPSA(ステランティス)の最も人気のある20車種中で、国内で生産されているのは6車種のみという。
同誌は特に、国外への生産移転のチャンピオンはルノーだと指摘。ルノーとダチアの最人気10車種中、仏国内で生産されているのは「ルノー・ゾエ」(18位、フラン工場)と「ルノー・セニック」(36位、ドゥエ工場)のみで、他の8車種は全て国外で生産されているという。
同誌はこうした状況で、フランスの自動車部門の貿易赤字が拡大し続けているのは無理もないと強調している。2021年上半期(1-6月)の赤字額は94億ユーロに上り、前年同期比で25億ユーロ増を記録した。

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