ルノー・グループのベストセラー車は「ダチア・サンデロ」

投稿日: カテゴリー: 欧州自動車・モビリティ情報

ルノー・グループの2021年上半期の車種別販売台数が明らかになったが、それによると、「ダチア・サンデロ」(欧州以外の地域でルノーブランドとして販売しているものも含む)が14万9000台でトップ、「ダチア・ダスター」が14万2500台で続き、一般にルノーのベストセラーと考えられている「ルノー・クリオ」は14万800台で3位だった。
2020年上半期にはクリオが14万6000台で、サンデロ(11万5400台)やダスター(10万5000台)に大差をつけてトップだったが、今年は順番が入れ替わり、低価格車のサンデロとダスターがクリオを上回った。
2021年上半期にルノー・グループは46万6000台の低価格車を販売したが(インドや南米で販売するKwidとTriberなども含む)、これはグループの販売総数の3分の1を占める。やはり低価格であるロシアのラーダ(20万8000台)まで含めると販売総数の半分近くを低価格車が占めることになる。ルノーの利益率が構造的に低い主な原因がここにある。
ルノーの低価格車は新興国だけで売れるわけではなく、ダチアの主要市場はフランスとイタリアである。ダチア車のマージンは非公表だが、決して極端に低いわけではない。しかし、欧州におけるダチア車の平均販売価格は1万2000ユーロ程度と、ルノーブランドの平均価格(1万5000-1万6000ユーロ)を大きく下回っており、当然のことながら、1台当たりの利益は小さい。
利益率を引き上げるための戦略には、高級車を販売するという選択肢があるが、ルノーは過去にエスパスやタリスマンで失敗している。もう一つの可能性はダチア車の平均価格を押し上げることで、同ブランドでは、基本的なバージョンを安く抑えつつ、より高価な派生バージョンの販売によって価格を引き上げることを目指している。
3代目サンデロでは通常のバージョンに加えて、クロスオーバー要素を盛り込んでよりスタイリッシュでより高価なサンデロ・ステップウェイを投入したが、1万3000ユーロ以上の価格にもかかわらず、売れ行きは好調。
デメオCEOは、3代目ダスターについても高級バージョンを予告するとともに、新型SUV「ダチア・ビッグスター」の投入にも期待をかけている。ビッグスターの価格は2万5000-3万ユーロと見込まれ、ダチア車としては過去最高となる。ラーダブランドでも高級化が検討されている。

(challenges.fr 2021-09-22)
https://www.challenges.fr/automobile/actu-auto/les-dacia-sandero-et-duster-ces-best-sellers-mondiaux-de-renault-qui-detronent-la-clio_781597