ゴンクール賞とルノドー賞の受賞作決まる

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フランスの主要文学賞であるゴンクール賞とルノドー賞の受賞作が11月3日に発表された。
ゴンクール賞は、セネガルの作家モハメド・ムブガル・サール氏の「La Plus Secrete Mémoire des hommes(人々の深く秘めたる記憶)」が受賞した。サール氏は31才、本作が4作目の長編小説となった。サハラ以南アフリカ諸国の作家がゴンクール賞を受賞するのはこれが初めて。受賞作は、第2次大戦前のパリの文壇でもてはやされ、次いで忘れられたセネガル人作家の軌跡を追うやはりセネガル人の若い作家を主人公に、政治的な背景の下で過去の真相探しと自分探しが交錯するスリラー仕立ての作品で、時代と文体を行き来する巧みな表現力が評価された。
ルノドー賞はベルギーの人気女流作家アメリー・ノートンの「Premier Sang(最初の血)」が受賞した。最近に物故した自身の父親である外交官のパトリック・ノートンの半生記という趣向で、ノートン氏が28才の1964年、赴任先のコンゴで動乱に巻き込まれ、危うく死を逃れた体験を軸に、幼少期からの父親の人生を愛情を込めて描いている。