コロナ感染状況が改善、「衛生パス」制限措置が一部地域で緩和か

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新型コロナウイルスの感染状況が全国的に改善を続けている。新学年が始まって2週間が経過したが、懸念された学校発の感染拡大は今のところ発生していない。1日当たりの新規感染者数は18日の時点で7447人(7日間の平均)まで下がり、人口10万人当たりの新規感染者数は1日平均で83人と、2週間前から25%強の減少を記録している。地域別でみると、全体の半分程度の県で1日の新規感染者数(人口10万人当たり)が50人を割り込んでいる。そのほかは、パリ市内を含む多くの県で100人未満がほとんどで、150人未満はパリ首都圏ではセーヌ・サンドニとバルドワーズに限られ、全国的には南東部に集中している。本土ではマルセイユ市を含むブーシュデュローヌ県が279人とひときわ高い。感染状況が厳しかった海外県では、仏領ギアナが472人と最も多いが、グアドループ(213人)とマルチニーク(239人)は一時と比べてかなり改善してきた。感染状況が高い地域は、ワクチンの接種率が低い地域とほぼ一致しており、感染状況の改善にはワクチンが大きく貢献していると考えられる。ワクチン接種は17日の時点で5000万人(1回目以上の接種者)の大台を突破。接種対象者のうちまだ800万人が残っているが、残りの層の接種を実現するのはかなり困難とみられ、関係者らは、あと50万人か、せいぜい100万人止まりではないかとみている。その一方で3回目接種が、高齢者や基礎疾患がある人を対象に始まっている(2回目接種より6ヵ月後の実施)が、80才以上の層では未接種者が14%近くに上っており、この層における接種率の引き上げも課題となっている。
感染状況の改善を受けて、制限措置の緩和を求める声も高まっている。マクロン大統領もこれに前向きの姿勢を示しており、22日に開かれる関係者会議の際に、地域単位での緩和が決まる可能性がある。ベラン保健相は19日付のルパリジャン紙とのインタビューの中で、状況の改善が続くなら、感染が少ない地域から始めて、段階的に制限を緩和するとの考えを示し、「衛生パス」を用いた制限措置も緩和の対象にすると言明した。