2021年5月18日 編集後記

投稿日: カテゴリー: 編集後記

このところフランスの新型コロナウイルスワクチン接種が順調に加速している模様だ。出だしではもたついて、批判を浴びていたが、気がついてみれば、すでに2000万人の1回接種を達成したという。総人口は6800万人だから、3割近くに相当する。フランス人というのは何かと文句や不満の多い国民で、政府や自治体がやることが褒められることはめったにないし、たしかに当局の対応には非能率な面や不手際もあるのだが、そうやってギシギシときしみながらもいつの間にか物事が進んでいるのが、フランスという国の良さでもある。そういえば、税制改革による源泉徴収の導入なども、当初は侃々諤々の議論の的だったが、今ではすっかり定着して、(サラリーマンの場合には)所得申告が実に簡単になったし、大きな混乱も発生していないようだ。フランスの当局というのは、なにかと批判にさらされることに慣れているせいか、怒号や野次に臆せずに、冷静に、粛々と仕事をこなすことに長けているようだ。結果的に、数年を経て振り返ると、おや意外にやるものだなあ、と感心することも多い。これは見習っていい点だろう。