科学啓蒙誌エプシローンが創刊、シアンス&ビー誌のOBが立ち上げ

科学啓蒙誌シアンス&ビーの旧編集者らがこのほど、新雑誌エプシローン(Epsiloon)を創刊した。6月末に創刊号が4.90ユーロで発売される。
シアンス&ビーは伊モンダドーリが発行しており、モンダドーリ傘下の他の数タイトルと共に、2019年に仏リワールド・メディア(Reworld Media)により買収された。その後、シアンス&ビーの編集者らは、親会社によるコスト削減策に強く反発し、争議を経て去る3月末にほぼ全員が辞職した。同じ理由で、昨年9月時点で辞任したエルベ・ポワリエ編集長が、ユニーク・エリタージュ・メディア社の協力を得て、シアンス&ビーと直接に競合するエプシローン誌の発刊を準備した。シアンス&ビーから辞任した編集員らの合流も得た。
ユニーク・エリタージュ・メディアはエマニュエル・ムニエ氏が経営。10年ほど前に、子供向け出版社などを買収して事業を開始し、その後の企業買収で規模を広げた。同社はエプシローンのプロジェクトに年間100万ユーロの拠出を約束。ポワリエ編集長は、Ulule(クラウドファンディング)で5000件を目標に購読契約を募ったが、目標を大きく上回る1万3000件を24時間足らずで達成し、上々なスタートを切った。ユニーク・エリタージュ・メディアは、エプシローンを含めた科学関連の出版物で、5年以内に1000万ユーロの年商達成(同社の売上高合計は2020年に6000万ユーロ)を目指す。
シアンス&ビーの事件は、リワールド・メディアの企業姿勢を問う議論を引き起こした。フランス政府はこれに絡んで、昨年12月の時点で、メディア向け補助金の支給条件の見直しの検討に着手しており、近くその結果が発表される。