スマホ、ワイヤレスイヤホン、タブレット、ゲーム機、電子書籍リーダー、ポータブルスピーカーなどの電子機器の充電ケーブルの端子がフランスでは12月28日から「USBタイプC」に統一される。充電端子の規格統一は欧州連合(EU)が2009年から取り組んできた課題で、2022年にEU指令として採択された。加盟各国はこれを2023年末までに国内法化したうえで2024年末までに施行することを義務付けられている。フランスでは2023年12月28日にEU指令が国内法化され、それから1年を経て施行される運びとなった。なお、ノート型パソコンに関しては、充電ケーブル端子の規格統一は2026年4月から適用される。
同じ充電ケーブルを各種の電子機器に使用できるようにすることで、無駄を省き、電子廃棄物を減らす狙いがあり、EUによると域内で年間2億5000万ユーロのコスト節約と1万1000トンの廃棄物削減が見込まれるという。充電器のワット数も100ワット以下に統一されるため、充電速度が制限され、これまでのように、一部のブランドがこれを上回る急速充電を提供することもできなくなる。ただし、すでに使用されている機器はもちろん新規制の対象外。
統一規格に基づくユニバーサルケーブルの導入に伴い、電子機器と充電ケーブルの販売は別扱いとなる。電子機器の販売に際しては、充電ケーブルを付属品として一緒に販売するかどうかを製品の包装に明記する義務が生じる。
充電端子の規格統一には、独自のライトニングケーブルを提供する米アップルが特に強く抵抗し、イノベーションを圧迫し、消費者に有害な規制だと批判していた。しかしEUが方針を変更しなかったため、同社も2023年と2024年に投入した新型iPhoneではUSBタイプC端末を採用して、規制への適合化を図っている。