仏政府、EUの自動車CO2排出規制の柔軟化を支持

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14日に開幕したパリモーターショーの一環で、自動車関連部門の代表を集めた会合が15日に開催された。アルマン仏経済相はこの会合で、欧州連合(EU)の自動車政策に対する仏政府の方針を説明した。2035年に新車販売をゼロエミッション車に限定するというEUの目標を支持した一方で、2025年に強化が見込まれる自動車CO2排出規制に関しては、あらゆる柔軟化の可能性を探る方針を表明した。
自動車CO2排出規制はEU市場で年間に販売される新車の平均CO2排出量に上限を設けており、2025年以降の上限は2021年に定められた上限に対して15%引き下げられる。自動車メーカーがこの規制を遵守するにはBEVの販売を大幅に増やす必要があるが、最近のBEV販売は低調で、欧州新車市場でのシェアは12%程度にとどまっている。規制の遵守にはシェアを2倍の24%程度に引き上げる必要があると試算されているが、BEV価格の高さや公的補助金の削減など諸条件を考慮すると達成は困難で、規制に違反したメーカーに巨額の罰金が科される可能性がある。
欧州自動車工業会(ACEA)の会長を務めるルノー・グループのデメオCEOは罰金の総額が150億ユーロに達するとの見積もりを掲げつつ、かねてより規制の緩和を求めており、ACEAもこれを支持している。アルマン経済相もこれに同調し、数十億ユーロ規模の罰金は、自動車部門のグリーン化に向けた投資能力を制限し、サプライヤーにも多大な影響を及ぼす懸念があると強調した。ACEAは上限引き下げを2027年に延期することなどを提唱している。
ただし、ステランティスのタバレスCEOなどは、自社が規制遵守に向けて多数のBEVの投入を準備し、巨額の投資を行ってきたことを強調し、他のメーカーの準備ができていないことを理由にルールを変更することに反対する立場を繰り返し表明してきた。アルマン経済相の発言は、仏政府がステランティスよりもルノーの立場に与することを選んだものだと受け止められている。