ルメール経済相、「麻薬密売団も資産凍結の対象に」

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ルメール経済相は8日に開いた記者会見の機会に、麻薬密売団の資産凍結を可能にする方針を明らかにした。法律を改正し、戦争犯罪の容疑者やテロ資金と同列の扱いで凍結を可能にする。経済相によると、国際的な大規模密売団の指導者等を対象に、銀行預金や不動産を中心とする資産を凍結する。凍結の決定は内務省との協調の下で下される。
国内の麻薬押収量は2022年に157トン強となり、過去最高を記録した。大麻(129トン)とコカイン(28トン)が中心となっている。当局機関Ofastによると、麻薬関連で直接・間接に24万人が国内で「就労」しており(うち2万1000人が「フルタイム」)、その経済・社会的な規模はかなり大きい。依存症対策機関OFDTによると、国内には500万人を超える常習消費者がおり、麻薬密売の年商規模は30億ユーロに上ると推計されている。麻薬取引に絡む犯罪も増加しており、特に凶悪化が目立っている。警察の集計によると、麻薬取引関係で生じた殺人事件で昨年1-11月には315人が死亡。この数は前年比で57%増加している。
戦争犯罪やテロリズム関係の資産凍結は国内で現在、4600を超える個人・団体が対象となっている。うち4分の3は欧州連合(EU)の制裁対象(うちウクライナ侵攻関連は2000者)、残りのほとんどは国連の制裁対象となっており、仏当局による凍結決定は50者程度と少ない。