ジャコメッティ美術館がパリ市内に開設されることが決まった。アンバリッド前庭内に2026年にオープンする。
20世紀に前衛彫刻家として活躍したジャコメッティの遺族が設立したジャコメッティ財団は、長らく常設美術館の開設を計画していたが、今まで実現していなかった。今回、アンバリッド前庭にある「エールフランス館」を確保できることが決まり、実現に向けて大きく前進した。エールフランス館は、アレクサンドル3世橋を左岸に向けてわたってすぐ左側に位置し、1900年の万博の際に建設された。戦後はエールフランスが占有していたが、コンセッション契約の終了に伴い、ジャコメッティ美術館に整備されることが決まった。美術館は、建物と地下スペースの合計6000平方メートルを確保。館に入居している老舗レストラン「シェ・フランソワーズ」は居残ることが決まっている。美術館の内装は、国立図書館(BNF)などを手掛けたドミニック・ペロー氏らが担当。採光のよい1000平方メートルのホールをジャコメッティの彫刻の展示スペースとし、このほかに特別展用の800平方メートルの展示室などを設ける。工事はパリ五輪の後、2025年に行い、2026年のオープンを目指す。
開発事業は、パリ市による再開発事業入札「レアンバンテ・パリ2」ともリンクしており、Emerige社が請け負い、ネクシティ(不動産)が協力する。資金面では、大物実業家のグザビエ・ニエル氏が協力するが、投資額は明らかにされていない。