マクロン大統領は9月22日、サンナゼール洋上風力発電所の開所式を行う。フランスで洋上風力発電所が開所するのはこれが初めて。
サンナゼール洋上風力発電所は80基の発電機を備え、容量は480MWに上る。地元ロワール・アトランティック県の電力需要の2割程度に相当する。EDF(仏電力)が開発した。発電機の設置は完了しており、年内にフル稼働に至る見通し。
マクロン大統領は、2050年のカーボン・ニュートラル達成に向けて、最終エネルギー消費の削減、太陽光発電と洋上風力発電の加速、原子力の再興を3本の柱に設定している。このうち洋上風力発電は、フランスでは2008年にプロジェクトが始まったが、反対派の訴訟などもあって実現が当初見込みより大幅に遅れた。フランスは欧州の近隣諸国(英国では10GW、ドイツでは7.7GW、オランダでは2.6GWなど)と比べて大きく遅れ、ようやく最初の発電所が実現する。今後、建設中の発電所の完成が相次ぐ見通しで、フェカンとクルスルシュルメール(共にEDF)が2023年末と2024年末に発電開始を、サンブリウ(スペインのイベルドローラ)が2023年末に発電開始をそれぞれ予定する。ルトレポール(エンジー)、ノワールムティエ(エンジー)、ダンケルク(EDF)を加えると、2028年時点で洋上風力発電の総容量は3.6GWに達する見通し。2050年までに50ヵ所・40GWの整備が目標だが、進行中又は予告済みの入札は2032年までに8GW相当となっており、その後の分は、建設場所と日程が明らかになっていない。