パリ地裁は9月2日、英フードデリバリー大手デリバルーに対して、970万ユーロをURSSAF(社会保険料徴収機関)に支払うよう命じる判決を下した。2015年4月1日から2016年9月30日までの期間の社会保険料の納付漏れとして、追徴分を含めて多額の支払いを命じた。デリバルー側は判決を不服として控訴する意向を表明した。
デリバルーは去る4月に、2015年から2017年までの期間を対象として偽装請負の容疑で有罪判決を受けていた。独立自営業者の身分の配達人を用いることで雇用隠しをしたとの認定を受けた、デリバルーはこの有罪判決を不服として控訴したが、URSSAFはこの刑事訴訟での有罪判決を根拠として、デリバルーを相手取って未払いの社会保険料の支払いを請求する訴えを起こしていた。パリ地裁はURSSAFの主張を認めてデリバルーに支払いを命じた。
デリバルーはこのほか、去る6月には、2017年以降の案件についても、労働裁判所における訴訟で元配達員らに敗訴している。デリバルーは、配達員が自由に就労時間を選べるような体制を整えており、配達員との関係が雇用契約とみなされるのは不当だと主張している。