マクロン大統領は24日、夏休み明けの閣議を開いた。大統領はこの機会に、閣議の会場にカメラを入れて、最初の言葉を中継させるという異例の試みを行った。大統領はその中で、国際情勢などを踏まえて、国が大きな変動期を迎えているとし、「豊穣の時、気楽な時は終わった」と言明。国民に対して犠牲と努力を求めることが必要になると、重々しい調子で語った。
大統領の念頭には、今冬に生じる可能性があるエネルギー不足と、それに伴うエネルギー価格の高騰がある。それに向けて、国民に痛みが伴う努力を求めるために、人々の心を準備することが狙いと考えられる。政府は、年末まで、電力・ガス料金の上昇幅を抑制する支援措置を適用するが、その後は、費用が高いこの措置の継続は困難であり、価格調整を取りやめて、低所得層の支援に的を絞り込むものとみられている。
政府は翌週に閣僚会議を開き、治安、労働市場改革、エネルギー、予算法案準備を中心に協議を行う予定で、この際に今後の日程等が一部公表される見通し。その一方で、「豊穣の時は終わった」という表現を巡っては、野党の左派勢力を中心として、以前より数多くの人々が耐乏生活を強いられている中で、庶民感覚からは程遠い認識だとして、大統領を批判する声が上がっている。