ルノーの新型BEVの売れ行きが好調で、「メガーヌE-Tech」は1-6月期に2万5000台の受注を記録した。しかも、最も価格が§高く、マージンも大きい高出力の高級バージョンが良く売れており、これは新戦略「ルノーリューション」の目指すところでもある。なお、メガーヌE-Techにはハイブリッド車モデルはなく、BEVモデルのみとなっている。
ダチア・ブランドでも初のBEVモデル「スプリング」が発売から1年を経て、世界販売台数が累計で10万台の大台を近日中に超える勢いとなっている。「スプリング」は中国で生産されており、低価格ではあるが、自動車業界全体の価格上昇に伴い、現在の価格は1年前より2000ユーロ高い1万4454ユーロとなっている。
売れ行き好調とはいえ、両車種がルノー・グループの販売全体に占める比重を判断するために、主要市場であるフランスの場合をみると、今年1-7月に「スプリング」は9864台、「メガーヌE-Tech」は4736台の販売を記録した。これはルノー・ブランドのベストセラー車である「クリオ」の3万7828台、ダチア・ブランドのベストセラー車である「サンデロ」の3万5509台には程遠い。
ルノー・グループの1-7月の仏販売台数に「スプリング」と「メガーヌE-Tech」が占めた割合は6.75%に過ぎない。これに対して、「クリオ」と「サンデロ」は合わせて33%を占めた。
「スプリング」と「メガーヌE-Tech」以外にもルノーはBEV「ゾエ」、「トゥインゴ」のBEVバージョン(同モデルの販売の63%を占める)などを提供しており、それぞれ9000台と8600台の販売を記録した。合計するとルノー・グループの1-7月の仏販売台数にBEVが占めた割合は15%弱となる。2021年の9%と比べてBEVのシェアは拡大した。しかし、欧州レベルで見ると、上半期(1-6月)のBEV販売の上位3社はフォルクスワーゲン(VW)、ステランティス、テスラで、ルノーは競合に水をあけられつつある。上半期の欧州BEV販売ランキングをモデル別にみても、テスラやVW、フィアットやプジョー(いずれもステランティス)のモデルが上位を占めたのに、ルノーは「ゾエ」が8位、「スプリング」が10位、「トゥインゴ」が14位で、「メガーヌE-Tech」は41位に低迷。なお、ルノーは2025年には7車種のフルEVを提供する見通し。
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