ワイン用ぶどうの収穫始まる、高温で平年より早め

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国内でワイン用のぶどうの収穫が始まった。南仏のエロー県、ラングドックルシヨン地方の一部、コルシカ島などで始まった。今年は高温が続き、通常よりも3週間程度も早い収穫開始となった。昨年は春の霜害のために収穫量が顕著に低下したが、今年は回復が見込まれており、ワイン生産量は4260万-4560万ヘクトリットルに上る見通し。前年比で13-21%の増加となる。地域的には、霜害の被害があったシャラント地方で、作付面積の15%に損失が出る恐れがあるのを除くと、いずれの地域でも生産増が見込まれる。ただし、この予測は8月初頭に作成されたもので、その後の干ばつの被害等を考えると、実際の収穫量が予測を下回る可能性も残る。今年は特に高温が目立つが、国内の消費動向という点では、その影響はロゼ・ワインの消費増となって現れている。ニールセンIQ調査によると、5-7月のロゼ・ワインの販売は9.8%増を記録。同じ時期に赤ワインの販売は8.5%減を記録しており、白ワインは横ばいだった。半面、ワインのライバルであるビールの販売は、同じ時期に3%の増加を記録。過去5-6年間の実績では、販売増のペースでビールはワインを上回っており、足元のロゼ・ワインの販売増は突出した傾向であるという。さわやかな飲み口で、冷やしても飲めるロゼの販売は、気温と連動しているように見える。なお、ロゼは国内生産の4割が南仏プロバンス地方に集中している。