マクロン大統領、大統領選出馬を正式表明

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マクロン大統領は4日付の地方紙上で国民向けの書簡を公表し、大統領選挙への出馬を正式に表明した。再選を狙う歴代大統領の中で最も遅い出馬表明となった。
選挙管理委員会を務める憲法評議会への出馬意志の表明は4日に期限を迎える。7日に候補者リストが公示されることになる。マクロン大統領は当初から、なるべく出馬表明時期を遅らせて、現職としての優位を確保することを狙っていたが、足元のウクライナ危機の発生により、結局最終日まで発表を遅らせる形になった。大統領陣営は5日にマルセイユで集会を開く手配をしていたが、これは時節に配慮して中止となっている。
大統領は国民向けの書簡の中で、未来を見据えて子供たちのためにフランスを建設する必要があるとし、他の候補らが過去の幻影にとらわれているという批判をにじませつつ、再選を目指す決意を固めたと説明した。「世界の変動により脅かされている我々の価値を擁護する」ために、フランス及び欧州の独自の回答を提示するとした。具体的には、就労と生産に係る公租課の引き下げ継続を通じた経済力の強化による国の自立性の確立を掲げ、技術革新のための投資の継続を約束した。気候変動対策では、再生可能エネルギーと原子力を足場に据える考えを示唆した。不平等対策と高齢者自立支援でも努力を約束した。