アルセロールミタル、低炭素化に17億ユーロ投資

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鉄鋼大手アルセロールミタルは4日、仏国内に17億ユーロを投資し、低炭素化を進める計画を発表する。北仏ダンケルクの拠点には水素直接還元の電気炉を整備する。仏国内の二酸化炭素排出量を2030年までに40%削減することを目指す。同日にはカステックス首相がダンケルク拠点を訪問し、政府の脱炭素化支援プラン(56億ユーロ規模)を公表する。
アルセロールミタルは、ダンケルクに3基、フォス(南仏ブーシュデュローヌ県)に2基の高炉を保有しているが、うちダンケルクの2基とフォスの1基を2027年から2030年までに段階的に廃止する。それに代わり、ダンケルクには水素直接還元の電気炉を整備。鉄鋼生産における二酸化炭素排出量は3分の1に削減される(鉄鋼1トン当たり600kg)。これに加えて、鉄スクラップ溶解用の電気炉をダンケルクに2基、フォスに1基建設し、従来と同等の生産能力を確保する。雇用(現在の従業員数は2拠点で6000人)は維持される。投資額は17億ユーロで、その一部は国から援助を受ける。比率は明らかにされていないが、首相府では、規定により上限が30%になると説明している。
カステックス首相はダンケルク訪問で、政府の脱炭素化支援の新プランを公表する。投資プラン「フランス2030」の枠内で、新たに56億ユーロを脱炭素化向けに拠出する。うち、50億ユーロは、工業部門における排出削減プロジェクトに振り向けられる。その中で10億ユーロは中小・中堅企業向けとなり、大規模施設向けが40億ユーロとなる。残りの6億ユーロは、炭素回収をはじめとする新技術の開発向けに充当される。国内のイノベーション推進を目的に、4件のプロジェクト募集が行われる。「低炭素産業地区」の整備や新技術開発とその産業化などがテーマとなる。なお、脱炭素化では既に、復興プラン「フランス・ルランス」の枠内で12億ユーロ規模のプロジェクト募集が行われ、140件が支援対象となっている。