日用品大手の仏ビックはこのほど、カナダのInkboxを買収した。「半永久タトゥー」市場に本格参入する。買収額は6500万ドル(5700万ユーロ)で、後に業績目標の達成状況に応じて追加の支払いがなされる。
Inkboxは、インターネット専業のベンチャー企業で、主にシール方式の「半永久タトゥー」を販売している。10-14日の間持続するが、その後は自然に消えるというもので、若い世代を中心に、タトゥーを入れるのには抵抗感がある人々をターゲットに業績を伸ばしている。顧客の呼び込みはインスタグラム経由が中心で、ネット専業の強みを生かした事業展開にも特徴がある。2015年の創業で、現在の年商は2700万ドルと、2年間で2倍に増えた。定期的に購入する消費者は80万人程度で、うち75%が女性であり、特に18-24才の若い層に人気がある。まだ黒字化には至っていないが、売上高対売上総利益比率は60%と、ビックよりも高い。ビックは2024年にInkboxの黒字化を目指す。
タトゥーの市場規模は60億ドルに上るが、「半永久タトゥー」は4億ドルと規模が小さく、成長の余地は大きい。ビックは、2031年には15億ドル超の規模に達すると予想している。