米国政府、フランス企業にも多様性終了を要求

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在仏米国大使が一部の仏大手企業に対して、いわゆる「アファーマティブ・アクション」を行わない旨の申告を求める書簡を送付していたことが分かった。仏貿易省は29日の時点でこれを「許しがたい内政干渉」だとコメントした。
トランプ米大統領は1月の時点で、連邦政府におけるいわゆるDEI(多様性・公平性・包括性)政策を終了する大統領令に署名している。今回の書簡はそれに依拠し、DEI措置を実行している企業は連邦政府の契約先企業から除外されると通知し、企業に対して、米連邦政府の方針に適合しているか否かを申告するよう求めている。
このような書簡の送付は、スペインやイタリアなどの諸国の企業にもなされているという。法律専門家らは今回の書簡について、仏企業の米国子会社にではなく、仏大手企業の本社に宛てられたことが意外だと指摘し、外国企業が事業を展開するすべての地域において、DEIの排除を求める内容であるのかどうか、解釈は容易ではないと説明している。なお、フランスの法令においては「アファーマティブ・アクション」のような概念はなく、法令においては、経営陣等における女性比率と、障がい者雇用の比率に関する目標が設定されているのみだが、これらがトランプ政権の問題にする措置であるかどうか判然としない。回答の内容により、フランス企業が米連邦政府の契約から除外されるかどうかも現状では判断が難しい。