光ファイバー加入者回線の役務品質、一部の事業者に厳しい評価

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仏ARCEP(電子通信規制機関)は26日に光ファイバー加入者回線網の役務品質に関する年次報告書を公表した。一部の事業者に厳しい結果が出た。
ARCEPは今回の報告書で、通信事業者別の実績を指標の形でまとめた。これによると、新規回線開通時の初期不良発生率は、全体的に改善する傾向を示しているものの、2024年7-9月期には、最低のオレンジで5%、ブイグテレコムでも7%に上った。この率は、SFRでは9%に上り、フリーでは13%と高かった。また、故障が生じた際に30日以内に解決できた比率は、オレンジ(94%)とブイグ・テレコム(91%)で高かったが、SFRでは79%にとどまっており、フリーでは49%と特に低かった。ただし、現状では、開通作業などを請け負う下請け会社のうち、完全なデータを提出しているのはアルティチュードのみとなっており、評価の正確さについては改善の余地を残している。
光ファイバー加入者回線の普及に伴い、銅線による電話回線の新規契約は既に打ち切られており、2030年までにサービスが段階的に打ち切られることになっている。ADSLサービスも閉止されることになるが、それに代わる光ファイバーへの加入の勢いは鈍いといい、その背景には、故障の発生など通信品質への懸念もあると考えられる。全体の故障率は、7-9月期に0.13%となり、1-3月期の0.19%から下がっているが、地域により格差は大きく、特に状況が悪い地域においては7-9月期に0.30%(1-3月期には0.51%)と高い。