公的機関サンテピュブリック・フランスは10日、児童を対象にした精神衛生調査「Enabee」の結果を発表した。小学校就学前の児童において、12人に1人程度の割合で、何らかの精神衛生上の問題が見受けられるという結果が得られた。
この調査は、2022年に、3-11才を対象として、保護者からの聞き取り調査など複数の手法により行われた。特に、幼稚園・保育園に就学する3-6才の子どもにおいて、8.3%に何らかの問題があることがわかった。種類別では、日常生活に影響がある規模にて、全体の1.8%に情緒障害が、5.9%に反抗挑戦性障害が、1.9%に注意欠如多動症が見受けられた(2つ以上が重なっている場合もある)。男子では11.3%、女子では5.2%となっており、男子の方が多いことも判明した。
今回の調査が示した規模については、男女の差を含めて、従来の調査や、主要国における調査とも整合的であり、驚きはないとする意見が専門家からは出されている。また、ごく低年齢における精神衛生上の問題は短期間で解消されることもあり、さらに、この調査では、その方法からしても、保護者の目からみた子どもの印象が大きく反映されがちであることから、過大な解釈をするのは慎むべきであるという指摘もある。