首相府下の調査機関フランス・ストラテジーは9日、公務員部門に関する報告書を公表した。公務員部門の人材誘致力が低下していると指摘し、改善を勧告する内容となった。
報告書によると、この15年程度で、公務員部門の求人の困難は大きく増大した。足元では、2022年に行われた国家公務員の採用試験で15%の欠員が発生。また、同年には、AP-HP(パリ首都圏の公共医療機関を統括する機関)において、21%の入院患者収容能力の削減がなされたが、うち7割は人員不足が理由となっており、公務員部門の全体で、人材不足が広がっているのがわかる。その一方で、2030年までには、公務員全体の28%が定年退職することになり、採用の必要性が高まっているが、公務員職を敬遠する人も増えている。公務員試験の競争倍率は現在では4と、2000年代の12に比べて目立って低下している。定年退職以外の理由で中途退職する人も、2014年から2021年にかけて47%増加するなど、採用面だけでなく、人材の引き留めという点でも困難が高まっている。報告書は、女性にも開かれ、キャリアアップの展望も立つ公務員職の良さをアピールするなど、イメージ改善の努力が必要だと指摘。報酬面でも努力が必要だと指摘している。