英国:移民の増加で人口増加率は過去最大に

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

英国家統計局(ONS)によると、英国の人口は2023年6月に6826万5200人に達し、1年前から66万2400人増加した。増加率は1%で、ONSが統計を取り始めた1971年以降で最大となった。
人口増を牽引したのは移民数の増加で、移民数は2022年7月から2023年6月の期間中に67万7300人増えた。一方で、同期間中の死亡数は出生数を1万6300人上回り、新型コロナ危機下の2020年を除くと、1976年以降で初めて死亡数が出生数を上回った。なお、これ以外に、「その他増減」(兵員とその他調整)という項目がある。
英国では今夏にも移民反対の騒動が起こるなど、移民問題はセンシティブな問題で、歴代政権は移民削減を約束してきた。英国が欧州連合(EU)から離脱し、移行期間を経て2021年に両者間の自由な移動の枠組みが終了するまでは、英国の移民の主要部分をEU出身者が占めてきたが、現在ではEU以外の出身者が85%を占める。