フランスの国会で最大勢力に躍進した左派連合「新民衆戦線(NFP)」が首相候補に擁立したリュシー・カステ氏が地
方遊説などを通じて知名度を引き上げつつ、自らを指名するようにマクロン大統領に要求して、圧力を増している。同
氏の名前はアルファベットではCastetsだが、最後のtsは発音しない。しかし、先日のテレビ討論会で、tを有音扱いにし
て「カステット」と発音して出席者の笑いを誘ったコメンテーターがいた。たしかに、tを発音するかどうかはスペルを
見ただけのでは判断できず、「カステット」と発音することも可能だ。その場合、聞き手は誰しもが即座に、同じ発音
のcasse-tête(難問、頭痛の種)という言葉を脳裏に思い浮かべてしまう。件のコメンテーターは、意図的かどうかは不
明だが、カステ氏がマクロン大統領にとり頭痛の種になりつつある状況を的確な一言で言い表してみせたことになる。
五輪後にカステ氏が望み通りに首相に就任して、いっそうカステットな存在になるのかどうかが注目される。