米大統領選挙

投稿日: カテゴリー: アライグマ編集長の日々雑感

米国のバイデン大統領が再選を目指す立候補を断念し、欧州の金融市場には安堵感が広がった。トランプ前大統領が復
帰する可能性がなくなったわけではないが、バイデン大統領が立候補に固執した場合、どちらが当選しても挙動の予測
が難しく、認知能力にも不安がつきまとう大統領が登場することが懸念されただけに、マーケットの反応は理解でき
る。ウクライナやガザ地区をめぐる地政学的緊張が続き、中国への対応も困難さが増す中で、欧州がどれほど米国を頼
りにし、依存しているかが、改めて実感された。主権の擁護とか、独自の防衛システムとかいってみても、欧州は米国
の傘の下で守られていない限り、ロシア、中国、イラン、イスラム主義勢力などに対抗する力はない。政治に限らず、
科学や文化の面でも、米国の動きが我々の現在と未来を決定する強い要因であることは確かだから、無関心ではいられ
ない。しかし、毎回の米大統領選挙キャンペーンで、相変わらずの宗教狂いぶりを見せつけられると、宗教的世界観を
共有できない身としてはげんなりせざるを得ない。信仰に縛られずに生きられる空間がどんどん狭まっているだけに、
残っている空間を大事に保全しなければならない。