サルコジ元大統領夫人が容疑者認定、証人買収疑惑に絡んで

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サルコジ元大統領の夫人であるカーラ・ブルーニ氏が、元大統領のリビア資金不正取得に絡む事件で予審開始通告を受けていたことが、9日までに明らかになった。予審は、担当の予審判事が起訴の是非を決めるために行う裁判上の手続き。証人買収の秘匿などの容疑で予審の対象となる。
サルコジ元大統領は、2007年の大統領選挙(当人は落選)の資金確保のため、不正にリビアのカダフィ政権(当時)から資金を得ていた疑いをもたれており、この件では起訴が決まっている。この事件に関して、仲介役を果たしたとされるレバノン系実業家タキエディン氏が2020年に、写真誌パリマッチの取材に応じて、それまでの証言を翻し、元大統領にリビア資金が渡った事実はないと言明した。この前言撤回が、実は買収による虚偽の言明である疑いが後に浮上し、レバノンまでインタビューに訪れたパリマッチの芸能女性ジャーナリストのミシェル・マルシャン(通称ミミ)をはじめ、Onepoint(ITコンサル)のラヤニCEOなど、関係を疑われて10人程度が予審開始通告を既に受けている。サルコジ元大統領もこの件で、証人買収秘匿などの容疑にて予審開始通告を既に受けており、今回、それが夫人にまで広がった。モデル・歌手として芸能活動を行っていたカーラ・ブルーニ氏はミシェル・マルシャン氏とは旧知の中であり、警察の調べによると、タキエディン氏に証言を撤回させる動きについて、本人名義ではない隠れ回線を通じて、マルシャン氏とやり取りをしていたという。ブルーニ氏は予審開始通告後に釈放されたが、夫を除いて事件の関係者らと接触することを禁じられた。