総選挙、選挙キャンペーンが正式に開始

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総選挙の立候補届が16日に締め切られ、17日に公示がなされた。2週間後の6月30日の第1回投票に向けた選挙キャンペーンが正式に始まった。
アタル首相によると、連立与党は、60程度の選挙区で候補者の擁立を断念。保守、左派、中道の野党勢力で民主派の現職候補のいる選挙区では争わないことを決めたと説明した。分裂模様の保守野党「共和党」では、極右RNとの協力を決めたシオティ党首派が62選挙区で候補者を擁立したと説明。共和党の側では400選挙区近くで候補者を擁立。シオティ党首の選挙区(ニース)でも対立候補を擁立した。
[総選挙の制度]
下院の定数は577で、選挙は小選挙区・2回投票制にて行われる。577議席の内訳は、558が本土・海外県、8がニューカレドニア及び海外自治体、11が在外フランス人。小選挙区は原則的に人口12万5000人にて設定されるが、人口によらず1つの県には最低1つの選挙区が割り当てられる。有権者は18才以上のフランス国籍保有者だが、有権者登録は自動的ではなく、自ら手続きを行う必要がある。現在の有権者数は4900万人強。
選挙は2回投票制で行われ、第1回投票(今回は6月30日)の1週間後に決選投票(今回は7月7日)が行われる。第1回投票において、有効投票数の50%を超える得票を達成し、かつ、当該選挙区の登録有権者の25%以上の得票を達成した候補者は、決選投票を待たずに当選が決まる。他方、登録有権者の12.5%以上の得票を達成したすべての候補者は決選投票に進むことができるが、辞退することもできる。12.5%以上の得票の候補が1人以下だった場合には、第1位と第2位の候補との間で決選投票が争われる。決選投票では得票数が多かった候補者が当選する。完全に同数だった場合には年長者が当選となる。
[世論調査で極右RNが優勢]
レゼコー紙などの依頼でオピニオンウェイが行った世論調査(12日と13日に層別抽出の1011人を対象に実施)によると、第1回投票における得票率(あなたの選挙区で誰に投票するか、と質問)では極右RNが33%となり、左派連合の25%を抑えてトップに立っている。連立与党は20%、保守野党の共和党は7%となった(誤差範囲は1.4-3.1ポイント)。全体の68%の人が「選択を変えることはない」と回答したが、この割合は、RNの支持者で87%と特に高い。選挙戦における争点としては(複数回答可)、「購買力」を挙げた人が67%と最も多く、以下、「物価上昇」が51%、「治安」が49%で続いた。総選挙に関心があると答えた人は75%に上った。
ラトリビューン紙などの依頼でElabeが行った別の調査(11日と12日に実施)によると、極右RNの勝利とRNによる内閣発足の可能性についてどう思うか、との問いに対して、「不安を抱く」と答えた人が50%となり、わずかに過半数となった。「満足する」と答えた人が30%、「関心がない」と答えた人が20%だった。選挙の結果として、RNの過半数獲得を望むと答えた人が全体の32%を占めて最も多く、26%が「左派連合の勝利」、17%が「連立与党の勝利」を望むと回答。いずれの質問においても、国民の3割余りが熱心に極右勢力を支持していることがうかがわれる。