性同一性障害の治療に関する議員立法法案、上院を通過

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性同一性障害の治療に関する法案が28日、上院を通過した。身体的治療を制限する内容の法案を採択した。
法案は、保守野党の共和党が議員立法法案の形で提出した。共和党は中道勢力とともに上院で過半数を握っており、法案は賛成多数で採択された。政府はこの法案に反対意見を提示、左派勢力は法案に反対票を投じた。
法案は特に、二次性徴抑制療法を行う条件として、2年間にわたる精神療法の実施を義務付けている。反対派はこれについて、期間が長すぎて、二次性徴抑制療法が有効となりうる年齢を過ぎてしまい、事実上の禁止に等しいと批判している。法案推進派は、転換を後悔してもとに戻ろうとする人の事案を挙げて、身体的な治療に弊害があることを強調しているが、反対派は、性同一性障害に苦しむ青少年の自殺が特に多いことを挙げて、治療の道を閉ざすのはリスクの方が大きいと主張している。政府は、保健当局による意見書が2025年に提出される予定であることを挙げて、政治的な議論が先行するのは望ましくないとの見解を示し、法案に反対した。