仏政府、2024年の財政赤字を上方修正

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仏経済省は10日、財政運営の中期見通しを公表した。その中で、2024年の財政赤字の対GDP比を、従来予測の4.4%から5.1%へ上方修正した。
財政赤字の対GDP比は、2023年に5.5%となり、当初予測の4.9%に対して膨張していた。それに伴い、2024年の見通しについても上方修正を迫られた。経済省は、発表済みの100億ユーロの節減に加えて、2024年中にあと100億ユーロの節減が必要になると予告した。
経済成長率は、2025年に1.4%、2026年に1.7%、2027年に1.8%と順次回復する。公的債務残高の対GDP比は、2024年に112.3%、2027年には112%とほぼ同じ水準で推移する。国債費は、金利上昇に伴い、2024年の463億ユーロに対して、2027年には723億ユーロにまで拡大する。経済省はそれでも、2027年に財政赤字の対GDP比を3%以下の2.9%まで圧縮するとの展望を維持した。
報道によれば、ルメール経済相は、補正予算法案の策定により財政健全化の諸措置を実施する方向で国会議員らに打診したが、可決の展望は開かれなかった。マクロン大統領とルメール経済相の間の対立が深まっているともみられている。政府は増税の可能性を否定しているが、いずれかの形で増税に追い込まれるという見方も根強くある。