独仏政府、次世代戦車開発を巡り合意

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ルコルニュ仏軍隊相は22日、ドイツのベルリンを訪問してピストリウス独国防相と会談した。この機会に、軍備開発に関する一連の合意に達した。
独仏両国は、次世代戦車の共同開発を計画しており、2017年に計画が開始されたが、これまでのところ進展が遅れていた。両国は、次世代戦闘機システムをフランス主導で、次世代戦車システムはドイツ主導で開発する計画で、戦車開発では、独KMWと仏Nexterを統合してKNDS社が発足していた。ただ、ドイツ側ではラインメタル社も開発計画に参入してバランスが崩れ、ラインメタルとKMWの間の係争もあって、計画の進展が遅れていた。両国政府は今回、4月26日に趣意書に調印し、プロトタイプを準備する設計段階「1B」を正式に開始することで合意。両国の政治主導でプロジェクトを推進する決意を確認した。次世代戦車は、両国の現行戦車(ドイツのレオパルト2、フランスのルクレール)を2040年に後継する計画で、ドローン戦闘や電子戦に対応、エネルギーレーザー兵器の実装も計画する。他の車両や兵器等と協働する戦車システムの中核を担うものとなる。
独仏両国は同じ機会に、KNDSがウクライナ子会社を設立し、現地で生産事業を展開する方針を明らかにした。KMWが供給したレオパルトとPzH2000自走榴弾砲、Nexterが供給した自走榴弾砲の交換部品等の製造からはじめて、より本格的な製造事業の開始も視野に収める。ただし、現地生産の開始の日程などは明らかにしなかった。