仏電力大手EDFは、今夏に行われるパリオリンピック・パラリンピックに、公式のパートナーとして電力を供給する。同社は3月5日、大会において100%再生可能エネルギー由来の電力を供給するという約束を再確認した。
EDFは、8ヵ所の再生可能エネルギー施設(風力発電施設6ヵ所、太陽光発電施設2ヵ所)を選び、電力を供給する。再生可能エネルギー電力の供給にあたっては、通常「再生可能エネルギー由来電力保証」が販売され、それに応じた量の再生可能エネルギー由来電力が電力網に注入されたことを証明するが、EDFは発電と消費が時間的により正確に対応することを目指し、「TrackElec」と名付けられたブロックチェーンのツールを開発した。選ばれた施設において発電がなされ、それに対応する消費量が発生した場合に、直ちにその証明がブロックチェーン上に記録されるようにした。オリンピック・パラリンピックで消費される電力の8割を「TrackElec」により保証。残りは、通常の再生可能エネルギー由来電力保証でカバーする。なお「TrackElec」は、Energy Web Foundationが開発した技術に基づいている。
EDFはまた、選手村や水泳競技会場に太陽光パネルや熱回収施設を設置した。
100%再生可能エネルギー由来の電力を供給するという約束は、パリがオリンピック開催に立候補した2015年に遡る。当時は、フェッセンアイム原子力発電所の閉鎖が決まるなど、原子力発電にとっては逆風が吹いた代わりに、再生可能エネルギーが追い風に乗っていた時代だった。
なお、パリオリンピック・パラリンピックにおいてEDFの配電子会社エネディスは1億ユーロを投資し、42ヵ所の会場と200ヵ所のパブリックビューイング会場の電力網への接続又は接続強化を完了した。ディーゼル発電機の使用を避け、排出量を削減する。