LVMH、写真週刊誌パリマッチの買収で独占交渉を開始

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ラガルデール・グループ(メディア大手ビベンディ傘下)は27日、2023年の業績を発表した機会に、芸能・写真週刊誌「パリマッチ」の売却に向けて、高級ブランド大手の仏LVMHと独占交渉を開始したと発表した。
パリマッチの有料発行部数は2023年に平均で45万部程度となっており、前年比で6%の減少を記録した。ラガルデールは、メディア事業としてはこのほかに、日曜紙のJDDやラジオ局(ヨーロッパ1、RMCなど)を保有。それぞれの収支は公表していないが、パリマッチは黒字であるという。他方、LVMHは、メディア事業としては、経済紙レゼコー、日刊紙ルパリジャン、ラジオ・クラシック、各種週刊誌(芸術、歴史、投資関係など)を保有している。
ラガルデール・グループは、2020年から投資ファンドのアンバーに揺さぶりをかけられ、続いてビベンディの買収攻勢にさらされ、結局買収を受け入れたが、この期間を通じてLVMHのアルノーCEOはラガルデール・グループとそのCEOのラガルデール氏の支援を続けた。その縁もあり、LVMHはラガルデール・グループの8%株式をまだ保有している。ラガルデール・グループは2023年にトラベルリテール事業が好調で、全体で14%の増収(売上高81億ユーロ)を達成。出版部門(アシェットなど)は1.9%の増収(売上高28億ユーロ)を達成した。これに対してメディア部門は苦戦が続いており、3%の減収(売上高2億5400万ユーロ)を記録。2600万ユーロの赤字を出していた。