仏政府、経済成長率を下方修正:100億ユーロの追加節減を予告

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ルメール経済相は18日夜、民放テレビ局TF1とのインタビューに応じた機会に、経済成長率予測の下方修正を発表し、100億ユーロの追加節減を予告した。
経済相は、2024年の経済成長率予測を、これまでの1.4%から1.0%へ引き下げた。2023年の成長率(0.9%)とほとんど変わらない低成長にとどまると予測した。修正後の予測は、国際通貨基金(IMF)と同じで、欧州委員会の予測(0.9%)よりわずかに高い。経済協力開発機構(OECD)はさらに厳しく0.6%と予想している。経済相はこの下方修正を、世界的な経済の減速傾向を反映したものだと説明した。経済相はその上で、財政赤字の対GDP比を4.4%まで圧縮するとの目標は維持。それを実現するために、100億ユーロの追加節減を予告した。
経済相は、節減はすべて国の予算から実施すると説明。具体的には、規定の予算項目の取り消しで50億ユーロを捻出。各省庁がこれに応分の貢献をする。このほか、特殊法人(貿易・投資振興組織のビジネス・フランス、国立宇宙研究センターCNESなど)に合計で10億ユーロの節減を求める。政府開発援助(ODA)は8億ユーロの減額となる。さらに、「MaPrimeRenov’」(住宅のエネルギー効率改善向けの奨励金)については、2023年の35億ユーロが2024年には50億ユーロへ増額される予定だったが、これを40億ユーロに抑制する。
格付け会社各社は、仏長期債務の格付け見直しについて今春に発表する予定で、政府はここで格下げとなるのを回避することを望んでいる。そのため、早めの下方修正と節減策の発表に踏み切った。ルメール経済相は、節減のために補正予算法案を提出する可能性については否定。状況を見て必要なら今夏に提出する可能性はあるとした。