容器包装前面表示制度「ニュトリスコア」、基準が厳格化へ

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フランスの容器包装前面表示制度「ニュトリスコア(Nutri-Score)」の基準が近く改められる。糖分、塩分、甘味料の含有量に関する評価が厳しくなる。
ニュトリスコアは、食品の栄養表示の任意制度として2017年に導入された。食品を栄養についてAからEまでの5段階に分類し、色分けをして容器包装上に表示するという趣旨で、フランスのほかに欧州6ヵ国が採用している。フランスでは近く基準の見直しを定める省令(アレテ)が公示される予定で、公示から2年以内の表示修正が求められる。
基準改正では、糖分が多く含まれている製品が降格となる。ネスレのシリアル「Chocapic」の場合は、原材料に含有の糖分も評価基準に含める改正により、ランクが最高のAから2段階降格のCとなる。また、「飲むヨーグルト」のような製品は、固形物から液体へと分類が切り替えになり、これも降格を招く要因になる。ダノンの「Actimel Multifruit」は、Bから最低のEにまで降格される。
ニュトリスコアは任意制度だが、1200社近くが採用しており、食品の6割程度がスコアを表示している。基準改定により全体の3分の1程度の食品が降格になるとの見方もある。スコアが販売に影響を及ぼすことも知られており、2023年秋までの1年間で、A及びBの製品の販売は1.1%伸びたが、D及びEは同程度の減少を記録したという。