ノンアルコール・ワインのフレンチ・ブルーム、800万ユーロを調達

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ノンアルコール・ワインの普及が目立っている。この分野で先駆的なベンチャー企業フレンチ・ブルーム(French Bloom)はこのほど、800万ユーロの資金調達を完了した。従来の株主に加えて、百貨店大手ギャラリー・ラファイエットを所有するムーラン・ウゼ一族や、レミー・コアントローの創業者の子孫で、シャンパン分野のエキスパートとして活躍するベアトリス・コアントロー氏などが出資した。
ノンアルコール飲料の市場規模は2021年に推定で110億ドルに上る(IWSR調査)。ノンアルコール飲料はビールでは浸透しているが、ワイン・スピリッツでは世界市場の2%程度を占めるに過ぎない。フランスではこのところ需要が大きく伸びており、量販店における販売量は、2020年の1億4000万リットルが2021年には2億7750万リットルに増えた。フレンチ・ブルームは当初、妊産婦や何らかの理由でアルコールを飲めない又は飲まない人をターゲットに据えたが、消費の裾野は当初のターゲットを上回る広がりを見せているという。同社は、ノンアルコールのスパークリング・ワイン(白及びロゼ)を生産。グランド・エピスリー(食品小売)と契約を結んでいる。平均価格は29-35ユーロ程度で、高い品質を売り物とする。昨年には10万本を出荷、今年は30万本、2025年には100万本の出荷を目指す。調達資金は増産体制を整えるために充当。日米や中東の市場開拓も目指す。報道によれば、2025年の売上高は3000万ユーロに達する見込みで、同年にはEBITDAベースでの黒字化も目指す。