仏最大の経営者団体MEDEFは6日、パリ郊外で代議員大会を開き、次期会長にパトリック・マルタン会長補佐を選出した。73.18%の得票率で、カルラック副会長(女性)の26.82%を大きく引き離して当選を決めた。17日付で任期満了により退任するルードベジュー会長の後任となる。
マルタン次期会長は63才。一騎打ちを争ったカルラック副会長と共に、前回も会長選に立候補したが、いずれもルードベジュー候補の支持を決めて立候補を取り下げていたという経緯がある。今回は共に立候補を維持して対決になったが、マルタン候補は、MEDEFを構成する産別組織と地方組織のいずれでも手堅く支持を集めることに成功し、大差をつけて当選を果たした。
マルタン次期会長は、工業部門企業向けの卸売業を営む従業員数約3000人の企業を経営している。アン県支部のトップに43才で就任し、その後、オーベルニュ・ローヌアルプ地域圏支部のトップなどを務めてMEDEFにおける地位を高めていった。前任者のルードベジュー会長がハイテク部門の出身だったのと対照的で、地方支部の代表として活躍した人材が会長職に就くのはこれが初めて。マルタン次期会長は、退職年齢の引き上げが決まる中で、年齢が高めの就労者向けのトレーニングを強化し、仕事を見つけやすくする体制作りなどに意欲を示した。