クイックコマースのFlink、フランス子会社が倒産

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クイックコマースの独Flinkのフランス子会社が5日、パリ商事裁判所に会社更生法の適用を申請した。親会社がフランス事業からの撤退を決めたことを受けて、申請に踏み切った。買収者を探して事業の継続を目指す
クイックコマースは新型コロナウイルス危機を追い風に急成長を遂げたが、危機の終息に伴い、逆に業況が悪化している。Flinkの倒産により、仏市場はトルコのGetir(Gorillasの買収を通じて事業を拡大した)の独壇場となるが、そのGetirも、フランス子会社が3週間前に会社更生法の適用下に入っており、900人の削減を含む厳しい合理化に着手している。
需要の冷え込みに加えて、国内の規制強化も逆風となった。いわゆるダークストアを市街地内において設置が禁止される倉庫扱いとする法令が固まり、各社とも手詰まりの状態となった。それにも増して、クイックコマースのビジネスモデルには大きな難点がある。顧客獲得のために必要な投資が特に大きいが、事業規模は、1回の買い物につきせいぜい30ユーロ程度と小さく、ボリュームを活かして納入業者と価格交渉を行う自由度は限られている。細々した配達を束ねてコスト節減を図る余地もほとんどない。市内に拠点を置けないとなると、費用はさらに増大する。フードデリバリーなら、製品の梱包まで飲食店側が行い、いわば人の褌で相撲をとるような形にできるが、クイックコマースの場合はそれができない。食品小売大手とフードデリバリーがタッグを組むような形でなら、クイックコマースが切り開いた需要を、収益性を確保しつつ取り入れることが可能になるという見方もある。