マクロン大統領、年金改革案の発表を延期

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マクロン大統領は12日、国民協議機関CNRの第2回会合を開いた機会に、年金改革案の骨子発表を、12月15日から1月10日に延期すると予告した。労使などとの協議を尽くすために時間が必要だと判断したと説明した。来年夏に施行という日程は変更せずに維持した。
政府は、年金収支の均衡化を目的として、定年年齢(欠け目なしの受給が可能になる年齢)を62才から64才(又は65才)へ段階的に引き上げる内容の年金改革を準備している。大統領は、保守野党「共和党」や環境政党EELVなどでリーダーが選出されたばかりであることや、公務員部門の職場選挙が最近行われたばかりであることを挙げ、新たに選ばれた人々と協議する機会を設けることが適切だと考えたと、延期の理由を説明している。
年金改革に対する労組の反発は根強く、1月には抗議行動が頻発する恐れがある。左翼政党「不服従のフランス(LFI)」も1月21日(土)にデモ行進を呼びかけており、年金問題でこの1月に混乱が生じる懸念も強い。発表延期と追加の協議で打開策が見つかるとは考えにくい。年末年始をやり過ごすためだけの延期なら無意味だとする声も聞かれる。