環境政党EELVは10日、パリ郊外ランジス市で全国代議員総会を開き、党の代表を選出した。マリーヌ・トンドリエ氏を、90%を超える賛成票にて選出した。
バイユー前代表が夫人へのモラハラ疑惑で追及を受け、党が揺れる中での選挙となった。党員投票で半数近くの支持を得ていたトンドリエ候補が波乱なく選出された。トンドリエ新代表は前執行部の支持を得ており、極右RNが市政を握る北仏エナンボーモン市の市議として、極右に対抗する運動を続けてきたことでも知られる。新代表は、党の支持層100万人の達成を目標に掲げ、2024年の欧州議会選挙においては、左翼連合との共闘はせず、自前の候補リストで戦う方針を示した。党内には、ルソー下院議員のように、左翼共闘を主導する勢力もあり、党内の求心力の維持が新代表の課題となる。
これとは別に、左翼連合の中核を担う「不服従のフランス(LFI)」は10日にパリで代議員集会を開き、執行部調整役にマニュエル・ボンパール下院議員を指名することを決めた。LFIは、創設者のメランション氏が実権を握り、ガバナンスが不明確な組織だが、執行部の調整役がメランション氏に次ぐ地位を占めている。この職にあったカテナンス下院議員がDV問題で休職中であり、後任として、やはりメランション氏に近いボンパール氏が指名された。この人選について、党内の有力者らは、事前に相談なしに決められたとして党への不信感を強めており、争いが本格化するリスクもはらんでいる。