仏国鉄SNCFは18日、高速鉄道(TGV)の運賃を2023年に平均で5%引き上げると予告した。コスト増加の一部を運賃に転嫁することを決めた。
SNCFによると、高速鉄道の運営費用は2023年に13%上昇する。特に電力料金が180%上昇してコストを押し上げるという。SNCFは、過去8年間で料金体系を据え置いてきたことを強調しつつ、運賃引き上げは不可避になったと説明している。
高速鉄道の利用は伸びており、現状で乗車率は80%と、新型コロナウイルス危機前の2019年の65%と比べて大きく上昇している。SNCFでは、乗車率の維持を優先しつつ、値上げ幅をインフレ率より低めの水準に抑制した。
値上げ幅は種類によりかなり異なる。格安サービス「Ouigo」(現在では高速鉄道の2割を占める)については料金を据え置き、通常サービス「Inoui」でも、最低料金は現状のまま維持する。割引カードの本体料金と運賃も据え置かれる。引き上げはもっぱら、ビジネス客とレジャー客が被ることになるが、SNCFでは、レベニューマネジメントで運賃が随時変動することを理由に、具体的な路線の目安となる運賃などは示していない。他方、キャンセルと払い戻しが有料となる期間も、出発前3日目から6日目へと延長され、払い戻し手数料も15ユーロから19ユーロへと引き上げられる。