ハッカー集団LockBit 3.0、タレスのデータを奪取と発表

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

ロシア語系のハッカー集団「LockBit 3.0」が10月31日、仏防衛電子大手タレスに対するサイバー攻撃に成功したと発表した。入手したデータを11月7日から公表するとダークネット上で予告した。タレスの顧客に対しては、秘密保持の規則違反を理由にタレスを相手取った訴えを起こすよう呼びかけた。
タレスはこの発表について、脅威を真剣に受け止めており、データ漏洩の事実の有無について内部調査を進めているとコメントした。報道によれば、重大なデータ漏洩は確認されていないといい、ハッカー集団側の「はったり」である可能性が高いという。
LockBit 3.0は去る1月にも、タレスのデータを取得したと発表し、その内容を公表していた。子会社タレス・アレニア・スペースのソリューション開発チームのZipファイル1320点が公開されたが、タレス側は、重要度が低く、グループの主要な情報処理システムの外部に保存されていたものだと説明していた。
ハッカー集団にとっては、サイバーセキュリティ事業も展開する大手企業を標的にしたハッキングに成功したとすれば手柄になり、協力者を集めて勢力を拡大することも可能になる。LockBit 3.0はこのところフランスで一連のランサムウェアによる攻撃を成功させており、昨夏にはラ・ポスト・モバイル(LVMO)に140万ドルの身代金を要求、その後もパリ首都圏南病院のデータを盗難し、ダークウェブ上で公開したが、いずれの事件でも身代金の獲得には失敗している。