政府、100億ユーロの企業支援措置を公表

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

政府は10月27日、エネルギー価格高騰に伴う企業向けの支援策を公表した。マクロン大統領がテレビインタビューの際に予告した支援策の詳細を公表した。総額で100億ユーロの支援を行う。
支援のうち、70億ユーロが零細・中小企業向け、30億ユーロが中堅・大手企業向けとなる。中小企業の場合、世帯向けのエネルギー価格上限措置の適用を受けられないことから、エネルギー価格高騰の影響を直接に被るという問題があった。政府はこのため、そうした企業向けの特別援助を導入。2023年の1年間について、国が電気代金の10-25%に相当する分を肩代わりすることを約束した。電気料金のうち、市場価格に連動した分(通常は全体の40-60%、残りは原子力発電量の有利な卸売制度ARENHによる調達分)については国が50%までを肩代わりする。1MWh当たりの料金が325ユーロを超える契約について適用される。政府はこの措置を2023年予算法案に修正案の形で追加して施行する方針。
中堅企業・大手企業向けには、申請を経て適用される支援措置が既に存在しているが、その適用条件を緩和して利用しやすいようにする。これまでは、電気料金が2倍以上に上昇することが適用の条件だったが、11月15日より、この限度が50%に引き下げられる。また、欧州委員会からの許可を得て、支援額の上限は2倍に引き上げられる。大口需要家の場合、1社につき最大で1億5000万ユーロの支援が可能になる。請求を経て支援金の前渡しにも応じる方針を示した。政府はこれらの措置について、財源の裏付けがあり、財政赤字を増やさずに実行できると説明している。
政府はまた、同じく世帯向けエネルギー価格上限の適用が受けられない自治体向けにも、2023年に25億ユーロの支援措置を適用して価格抑制を図ると説明した。大学に対しても2億7500万ユーロの予算で同様の支援を行う。