真鍮製のフィギュアで知られるPixi社が、「バイユーのタピスリー」のフィギュアによる再現に取り組んでいる。地方紙ウエストフランスが20日付で紹介した。
バイユーのタピスリーは、全長68.4メートルの巻物の形をとっている。ノルマンディー公ウィリアム(征服王)がヘイスティングの戦いでハロルドを破り、イングランドのノルマン王朝を建てる(1066年)までの次第が刺繍により活写されており、歴史的な価値も大きい。Pixiは1982年に創業、コレクター向けに真鍮に着色したフィギュアを製造・販売しており、人気漫画「タンタン」や「スマーフ」のキャラクターなどを手掛けている。フィギュア化のプロジェクトには、タピスリーの法律上の所有権を有するバイユー市が協力。タピスリーは大規模な修復が必要となっており、2025年10月から修復作業が始まり、一般公開が中断されることになっているが、その間に、タピスリーを常設展示するバイユー美術館において展示することも検討されている。
ウエストフランス紙は、完成した部分の写真を掲載しているが、褪色した本物よりもカラフルな仕上がりとなっている。群像だけでなく、建物や車両、さらに文字までが再現されていて頼もしい。バイユーのタピスリーの楽しさはその細部にある。上下の縁には愛らしい動物の姿などが散りばめられているが、写真を見ると、少なくとも上の縁の動物たちはフィギュア化されていて嬉しい。しかし、真打はやはり下段であって、ここには動物譚の一場面や、狩猟・農耕といった生活の一コマ、さらに、どういうわけか陰部丸出しの男までが描き込まれている。Pixiに陰部男までフィギュア化する勇気があるなら、一つ買って部屋に飾りたいものだ。
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