フランスのガスと電力の消費が低下

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェストエネルギー・環境レポート

仏政府によると、フランスの天然ガス消費量は今夏から低下が鮮明になっている。8月1日から現在までの消費量は、過去5年間の平均と比較して14%程度低下したという。なお、これは火力発電所でのガス消費を除外した数値で、多数の原子炉の停止により原子力発電が低迷する中で、ガス火力発電の利用は増している。政府は、ガス消費の低下は価格高騰の影響とユーザーの省エネ努力の両方が理由だと考えられるが、どちらの要因がどれだけ作用しているかは見極めが難しいとしている。
また送電事業者RTEによると、電力消費も夏の終わりから低下の傾向が鮮明になった。1-6月期には新型コロナウイルス危機以前を1-2%下回る水準で安定的に推移していたが、9月には1-6月期を3-4%下回り、天候の影響を調整後で、危機以前と比べて現在は5%程度低下していると推定される。RTEは、暖房の使用が始まる10月の消費量も低下するかどうかが重要だと強調した。なお、電力消費の低下は特に工業部門の大手企業で顕著で、危機以前と比べて8-9%低下している。欧州の景気悪化やエネルギー価格の高騰による活動の減速が理由だと考えられる。