ストラスブールのクリスマス市、「排除製品リスト」の発表で物議

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ストラスブールの有名なクリスマス市で、地元のストラスブール都市圏が、出店の露天商向けに、販売が不可となる製品のリストをこのほど提示した。その内容が物議を醸している。
リストには、食品と非食品のそれぞれについて、販売が禁止される製品と、審査の上で許可される製品が網羅されている。禁止される食品としては、シャンパン、タルティフレット(チーズをとろかすサボワ地方の郷土料理)、ポップコーン、クリスマス・ドーナツ、ローストチキン、ラクレット(やはりチーズをとろかすサボワ地方やスイスの郷土料理)がリストアップされている。意外な顔ぶれともいえるが、アルザスの地方色豊かな製品を全面に打ち出すための規制だという。非食品では、カチューシャ、クリスマスブーツ、傘、籐細工、ポンチョ、ハンチング帽、ペット用クリスマスグッズが禁止対象となっている。欧州製の産品が販売されるようにし、環境配慮に欠ける製品は排除するのが狙いであると説明されている。審査の上で許可される製品のリストには、食品だとホットドックやイタリア料理、ホットビールなどが含まれ、非食品だと、マウスパッド、絵葉書・カレンダー、家庭用洗剤、子供服、灰皿、栓抜き、十字架など、どういう観点から集めたのか判然としない製品が連なる。保守系の日刊紙ルフィガロなどは、クリスマス市で十字架が「審査の上で許可」とはいかなることだと声を荒げている。ストラスブール市では、環境派政党を主軸とする左派勢力が市政を握っており、何かと風当りも強い。都市圏側は、業者代表なども交えた選考委員会が民主的に決定したと説明している。