仏大手銀行BNPパリバはこのほど、口座間送金の即時実施サービスを無料化すると発表した。月々の手数料徴収が伴うサブスク型の銀行口座契約「エスプリ・リーブル」に加入する個人顧客を対象に無料化する。仏国内の個人顧客約700万人のうち半数余りが対象となる。
即時送金のサービスは、SEPA(単一ユーロ決済圏)の加盟国を対象に導入が義務付けられた。年中無休・1日24時間体制で、口座間送金を指図から10秒以内で完了するサービスで、SEPA内の銀行にはサービスへの対応が義務付けられた。顧客に対して無料で提供する義務はなく、多くの銀行は有料サービスの形で開始したが、ネオバンクや決済サービス企業が顧客獲得を狙って無料提供で攻勢をかけており、主要銀行の間にも無料化の動きが広がっていた。フランスでは、ネット専業銀行のブルソラマ(ソシエテジェネラル傘下)とハローバンク(BNPパリバ傘下)のほか、ラ・バンク・ポスタル(郵便ラポストの銀行子会社)、クレディミュチュエル・アルケア、クレディアグリコルの一部地方金庫などが無料提供に踏み切っている。最大手のBNPパリバが無料提供に踏み切ったことで、即時決済の普及が一段と加速することが予想される。