ウーバーイーツの外国人配達員、滞在許可証の発給求めて抗議行動

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ウーバーイーツの外国人配達員らが、滞在許可証の発給を求める抗議行動を起こしている。去る12日には、パリで350人(警察発表)が参加してデモ行進が行われた。10月1日にはパリで再び抗議行動を予定している。
ウーバーイーツには全国で6万件の配達員が登録しているが、同社は先頃、そのうち2500件余りの登録を一方的に解除した。身分詐称などの理由で解除した。滞在許可証を持たない外国人が整理の対象となった。収入を失ったこれらの配達員らが、労組の協力を得て抗議行動を開始した。
識者によると、ウーバーイーツは当初、就労時間を選べる柔軟性などを武器に、学生を中心に配達員を確保したが、料金の低さや労働条件の悪さなどから、移民労働力への依存を強めるようになった。新型コロナウイルス危機が到来したこの2年間では、入国から5年以内の外国人の配達員が大幅に増え、その中には滞在許可証を持たない者も多いという。名義貸しや偽造身分証により配達員として登録するといい、そのような人々は、「滞在許可証があるなら配達員などしない」、「フランス人の配達員など見たことがない」と証言している。さらに、ウーバーイーツが配達員を確保するため、細かいことには目をつぶっていたと主張し、今になって登録を解除するのは不当だと非難している。
フランスには、3年以上の滞在実績と2年以上の就労実績があることを条件に、身分の正規化を認めるという制度があるが、ウーバーイーツの場合は従業員ではないため、配達員がこの条件に該当することを証明するのは難しい。法令が求めている証明書類の範囲を広げる(請求書や領収証等も有効と認める)よう労組側は政府に要求しており、これにはウーバーイーツも賛同しているという。