EDF、原子炉運転停止の財政的影響を上方修正

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェストエネルギー・環境レポート

EDF(仏電力)は15日、国内の一部の原子炉の運転停止に伴う影響について、2022年にEBITDAを290億ユーロ押し下げる規模になるとの予測を公表した。同社は去る7月の時点で、この影響を240億ユーロとする予測を示しており、従来予測を50億ユーロ引き上げた。なお、EDFは、新型コロナウイルス危機前の2019年には、710億ユーロの売上高に対して、170億ユーロ近くのEBITDAを記録していた。
EDFでは、新型コロナウイルス危機に伴い、原子炉の保守の日程に遅れが生じ、これが原子炉の稼働率を引き下げる要因となった。それに加えて、2021年末以来で、一部配管の腐食の問題が発見され、これに伴い12基の原子炉が用心のため運転を停止した。EDFは、原子力発電電力の予測に基づいて、先物契約で電力を卸売しており、発電量が予定を下回る場合には、市場で電力を調達して、契約を履行しなければならない。足元で卸電力価格が急騰していることから、この取引によるEDFの費用負担は大きい。EDFはこの夏に、配管腐食の原子炉4基の稼働再開の日程延期を発表しており、これが収支への影響を押し上げた。
EDFはその一方で、2022年の原子力発電量の予測値について、280-300TWhという予測レンジの下方になるとの見方を示した。