マクロン大統領のアルジェリア訪問、共同宣言が署名に

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マクロン大統領は27日、3日間に及んだアルジェリアの公式訪問を終えた。アルジェリアのテブン大統領と27日に共同宣言に署名し、数多くの分野を対象にした両国間の協力強化を約束した。
フランスとその旧植民地であるアルジェリアの関係は波乱含みであるが、今年はアルジェリア独立からちょうど60年目に当たり、マクロン大統領は、新しい両国間の関係構築の出発点とすることを望んで今回の訪問に出発した。ただ、両国間の関係は、最近では、アルジェリア人犯罪者の本国送還の受け入れにアルジェリア側が消極的であることをフランス政府が問題視したことなどを材料に冷え込んでおり、訪問の成果も疑問視されていた。しかし、27日には、当初は予定されていなかった共同宣言(アルジェ宣言)の署名に成功し、表向きは成果を上げることができた。
この宣言は、政治対話、歴史と記憶、人的往来、経済協力・エネルギー移行、教育・科学・文化・スポーツでの協力、若年、の6項目について、両国の協力深化を定めている。政治対話では、両国の大統領の下に「協力高等評議会」を設けて対話を深めることを申し合わせた。「歴史と記憶」では、植民地化前夜から独立戦争に至る期間の歴史の真実を明らかにする目的で、両国の専門家による合同委員会を設置することを取り決めた。委員会は半年ごとに報告書を提出する。マクロン大統領は公文書の開示を約束した。また、アルジェリア国内の外国人墓地の修復・保守についても協力の強化を定めた。経済協力については、両国の利益に叶うバランスのとれた協力体制を強化することで合意。ガスと水素の分野での協力を柱とするエネルギー移行における総体的な協力についても合意した。随伴ガスの回収と処理に関する技術革新の研究プログラムの開始でも合意した。