衛生法案が下院を通過:野党の結束で重要条項が削除に

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下院は13日、衛生法案を採択した。重要条項を削除の上で採択した。同法案は、改選後の下院において初めて審議された法案だったが、過半数を失った与党連合にとって、前途多難の幕開けとなった。
新型コロナウイルス危機に伴い導入された「衛生非常事態」が7月末で期限切れを迎えることから、その後の体制を確保する目的で、政府は同法案を提出した。その第2条は、「衛生パス」(ワクチン接種済みや検査陰性等を証明する書類)に基づいて、政府が出入国を制限することを認めるとの内容だったが、極右RNと左派連合NUPESは揃ってこの措置に反対。保守野党の共和党も反対に回ったため、第2条はその全体が否決された。野党勢力の大同団結が図らずも実現したことになり、少数政権としての国会運営の困難が早くも露呈した格好になった。政府は、上院審議の際に共和党との妥協点を探ることにより、可決成立が可能な形の法案をまとめる意向。